個人用防護具では、触覚性とは指先に、巧緻性とは手に関連しています。
「指先感覚性とは、指先で何かに触れた際の知覚や感覚であり、作業者が物を安全かつ効率的に操作することを可能にするものです。ウェット環境とドライ環境の両方において、小さな部品や、形状や大きさの異なる物体を扱う作業者にとって、指先感覚性は欠かせないものです。
対象となる部品や物体、作業には、ボルトやナット、ネジをはじめ、ネジ回しやのこぎり、ドリルなどの電動工具、ビットやソケット、リベット打ちや穴開け作業が含まれます。
また、指先感覚性を強化する安全手袋は、ペンやキーボードを使用してデータを記録するために作業を中断する必要がある作業者にも、手袋を何度も繰り返し着脱せずに通常の作業と記録作業を行うことを可能にするメリットを提供します。
指先の安全性を確保する
小さな物や滑りやすい物を扱うために必要な触覚が得られない作業者は、物を落とす可能性が高く、切創などのけがの原因や、コストのかかる製品の再加工や装置の修理につながる可能性があります。接触感覚が低下していると、指で簡単に物を掴むことができないため、手の疲労や痙攣につながることもあります。
例えば板金に小さなネジを絶えず差し込む作業が行われるような、自動車組立、エンジン組立、白物家電/耐久消費財の組立ラインで働く作業者は、ネジをしっかりと掴んで回すために十分な触覚が得られない場合、手の疲労に悩まされる可能性が高くなります。
反復運動過多からは何も得られない
触覚性が低下すると、反復運動過多損傷(RSI)にも関連します。サイズが大きすぎる作業用の安全手袋や手袋の二重装着など指先の厚みを増すものにはすべて、触覚性を妨げる可能性があります。
その結果、作業者は苛立ち、素手の方が効率的に作業を遂行できると判断して個人用防護具を外してしまうことがあり、けがのリスクを高めてしまう可能性があります。
作業者の安全手袋のニーズを常に把握する
ポリウレタンやニトリルなどのコーティング、Ansell Grip Technology™ などの合成コーティング、ナイロン、ライクラ、Dyneema® ダイヤモンド技術採用の糸で作られた縫い目のない裏地を用いた安全手袋は指先感覚性を強化します。指先のコーティングにしわや弛みがある場合、指先感覚性が低下するため、指先のコーティングは均一でスムースでなければなりません」